1. お仕事紹介
  2. 看護のお仕事

「看護職」とは、保健師、助産師、看護師、准看護師のことを指します。さまざまな場面で働く看護職の数は、約168万人。超高齢社会を迎える中で、看護の力はますます必要とされています。

看護の仕事

看護師

看護師の仕事は、傷病者や産後間もない女性の療養上のお世話や診療の補助を行うことです。身体だけでなく精神、社会、文化などさまざまな側面から患者さんに必要な看護を的確に判断します。病院や医院のほかに、訪問看護ステーションや介護などの福祉施設など、看護師の活躍の場はどんどん広がっています。

日本看護協会認定の資格

専門看護師(5年毎に更新)

看護師として5年以上の経験を持ち、看護系大学院で修士課程を修了した後に認定試験に合格する必要があります。水準の高い看護を効率よく行うための技術と知識を深め、卓越した看護を実践できると認められた看護師です。「がん看護」など、14の専門看護分野ごとに日本看護協会が認定しています。

認定看護師(5年毎に更新)

看護師として5年以上の経験を持ち、日本看護協会が認める認定看護師教育を修めた後に認定試験に合格する必要があります。高度化し専門分化が進む医療の現場において、水準の高い看護を実践できると認められた看護師です。「救急看護」など、21の認定看護分野ごとに日本看護協会が認定しています。

認定看護管理者(5年毎に更新)

看護師として5年以上の経験(うち看護師長相当以上の経験を3年以上)を持ち、日本看護協会が認める認定看護管理者教育を修めるか大学院において管理分野の修士課程を修了するなどの条件を満たした後に認定試験に合格する必要があります。看護管理者として資質と看護の水準の維持及び向上に寄与することのできる看護師を、日本看護協会が認定しています。

保健師

保健師の多くは保健所などの公的機関で働き、地域の健康データを基に、健康相談、生活習慣病予防対策など自治体の健康政策にも関わります。また、健康診断の結果に基づく保健指導等も行います。

助産師

助産師は、妊産婦への保健指導や出産の介助、産後の母子のケアを担います。その他、不妊治療相談などの女性の生涯を通じた性と生殖における健康問題に関わります。病院・産科医院に勤務する以外に、自分で助産所を開業することもできます。

アドバンス助産師(5年毎に更新)

助産師の免許は更新制ではないため、免許取得後に助産師個人が経験や学習によって得た能力を知ることは困難でした。高度化・多様化する周産期医療において、助産師には助産実践能力を高めることが求められています。そのため、助産実践能力が一定の水準(助産実践能力習熟段階レベルⅢ)に達していることを評価・認証する制度が生まれ、認証された助産師が、アドバンス助産師と呼ばれます。この認証は、助産ケアの質を保証するものであり、妊産褥婦やご家族へのさらなる信頼や医師からの客観的な評価にもつながります。

令和5年2月実施の国家試験

試験名受験者(新卒者合格者(新卒者)合格率
看護師58,911名56,276名95.5%
保健師7,477名7,235名96.8%
助産師2,055名1,971名95.9%
※准看護師は都道府県知事発行免許で合格率は96~99%程度です。

准看護師はなくなるの?

准看護師は看護師とは違い、独自の判断で看護業務(血圧や脈拍の測定、点滴の作成や投与、食事・入浴の介助など)を行うことができません。看護師と同じ仕事をすることはできますが、そのためには医師や看護師の指示を受けなければならないと法律で定められているのです。准看護師は指示を待つ必要があるためスピーディーな対応ができないことを問題視することもあるようです。そのため「看護師と准看護師を統合して一本化する」という話が出てきています。


現状、准看護師養成施設は減少を続け、2000年から2020年の間に半分以下になりました。これらの施設への入学者数も2000年の約25,000人から2020年には約7,000人にまで減少しています。
准看護師として働いている人数は2010年から2020年の間に8万人減っているのに対し、看護師は同じ10年間に30万人増えています。准看護師を経て看護師を目指す人より直接看護師を目指す人が増えたのではないかと予想できます。
日本医師会は、地域で初期医療を支えてきた准看護師という職業がなくなると看護師不足になるのではないかと懸念し、現状の維持を求めています。


それに対し、日本看護協会は医療の安全性を確保するためにも、法律で「自己判断での医療行為を禁じられている准看護師」の存在は見直すべきだとして、一本化すべきと考えています。
今後、准看護師を目指す方は、制度の存続にかかわる情報にもアンテナを張っておきましょう。
※人数の推移は日本看護協会および厚生労働省発表のもの

気を付けよう、
医療現場での言葉使い

患者さんを不安にさせたり、傷つけたりしてしまう言葉は使ってはいけません。普段何気なく使っている言葉が、医療の現場では「NGワード」になることもあります。一般のコミュニケーションでも役立つことなので、ナースを含む医療現場で働くことを目指すなら、今から言葉のチョイスにも気を使ってみましょう。

忙しいからあとで実際忙しいのでしょうが、患者さんには関係ないことです。できるだけその場で対応し、どうしても待ってもらわなければならない場合は、「今、手を離せない理由」「待つ時間の目安」などを具体的に伝えましょう
わかりません
おそらく~と思います
病状を尋ねられた時に曖昧な返事をすると、患者さんは不安になってしまいます。その場ではっきりと回答できない場合は、「今日中に確認してお伝えしますね」など、患者さんに安心してもらえる言葉を添えましょう。
頑張ってください患者さんは精神的にも不安定になっている人も多いので、「言われなくても病気を克服するために頑張っている」「簡単に頑張れなんて言うな」など、励ましを負担に感じてしまう場合もあります。

ほかにも気を付けるべき言葉はありますが、まずはこのあたりから気を付けていきましょう。自分中心に考えるのでなく、相手のことを考えて発言するように心がければきっと大丈夫!

教えてナースエイド

令和6年1月からナースエイド(看護助手)が主役のテレビドラマが始まったので、ナースエイドという言葉を耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。それでは、具体的にナース(看護師)とナースエイド(看護助手)は、どこが違うのでしょう?

一番わかりやすいのは、ナースエイドは医療行為ができないことです。

具体的には看護師が行う医療行為(採血・点滴など)以外のシーツ交換、入浴・食事介助、など患者さんの身の回りのお世話になります。どこからが医療行為にあたるのかを曖昧にしないために、看護助手の仕事は「患者さんに直接触れない業務のみ」と定めている病院もあるようです。

スタッフ数が限られている個人医院などでは、受付やカルテ等の書類整理などの事務作業が業務に含まれることもあります。職場によって業務の範囲が大きく違うので、ナースエイドとして働きたい人は採用されたらどんな業務を行うことになるのか、確認を忘れないようにしてください。

職種免許・資格仕事の種類
看護師国家資格
「看護師免許」
患者さんのお世話や診療の補助を行う
准看護師都道府県知事認定
「准看護師免許」
医師・歯科医師・看護師の指示を受けて患者さんのお世話や診療の補助を行う
看護助手免許や資格なし看護師の指導のもとで看護の専門知識を必要としない業務を行う

准看護師も看護助手も「指示・指導を受けて、与えられた仕事をする」という意味では同じですが、准看護師は医療行為ができるのに対し、看護助手は医療行為ができないところが違いといえます。

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